ひっくり返すと動きが変わる歯車!?「双葉車」の動作原理

2. なぜ歯が2枚しかないのにかみ合うの?


そもそも歯が少ないとどうしてかみ合えないのか考えていきます.

歯車は,入力側がどっち向きに回転したとしても,もう一方の歯車に駆動を伝えられなければなりません.
とすると,かみ合う歯車同士は常に最低2点で接している必要があります(バックラッシがないとすれば).
普通の歯車は下の動画のように,赤い歯と青い歯が接している点が常に2点以上あるのが分かるかと思います.なお,インボリュート歯形の場合,接する点は動画のX状の2直線の上を移動します.このXのそれぞれの直線の上に必ず1点以上接点がないといけません.改めて,この場合ちゃんと満たしていますね.

では,歯の数を2つにしてみたらどうなってしまうのでしょうか.

やってみると,こんな感じです.

はい,見事に接点が足りないですね.一瞬2点で接するときがありますが,このままではどこかで歯が外れてしまいます.

そこで,これを位相をずらしてもう1つつけてあげると……
はい,無理やり接点を増やすことができました.

でもこのままでは歯が2つの歯車とは言えませんね.なのでこの形状を3次元的にねじってあげることでこの2つの平面をつなげてあげればOK.ただし,ねじる向きは2つの歯車で逆になるようにしないといけません.お互い逆回転しますから当然ですね(とは言っても伝わりづらい).

これが歯が2つしかなくても回る原理なのでした~~

 

ちなみに,今回はビジュアルを気にして2枚歯の歯車にしましたが,この方法を使えばこんな感じで1枚歯の歯車も作ることができます.

やっぱ気になったらすぐ作っちゃうよね~

さて,いよいよお次は同じ方向に回ってしまう原理です.

“ひっくり返すと動きが変わる歯車!?「双葉車」の動作原理” への3件の返信

  1. うわーすごい~!
    目が回りそうですw

    この構造でポンプが作れないかなぁ、などと妄想してしまいますた

    1. 通りすがりさん
      ご意見ありがとうございます~

      ねじポンプや歯車ポンプのイメージですかね?
      その路線も考えたのですが,この歯車を使うことによる利点が思いつかなくて……
      というのも,普通の歯車に比べて伝達効率悪いんですよね.
      むむむ……という感じです.可能性は捨てたくはないですが.

  2. 先のコメント後、しばらく動画を見てたら、ウォームギアっぽい
    形状(ふたばギアは上下対称ですね)から、トルセンデフを連想
    しちゃいました。

    >普通の歯車に比べて伝達効率悪いんですよね
    う~ん、そうなのですか・・・。
    動画を見ていると、結合時のショックが無さそうなので
    その辺が活かされる用途がみつかるといいかも。

    動力伝達からは大きく方向が逸れますが、ふたばちゃんの形って
    食品の練り物とか穀物の粉砕で試したくなる形状ですw

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