情報倫理について

みなさまこんにちは。ありすです。
今回は春の新歓ブログリレーの2日目の記事として、情報倫理についてお話したいと思います。


改めまして、新入生の皆様合格おめでとうございます。
合格発表からおよそ2週間が経過しましたね。
合格発表とともにTwitterアカウントを作ったり、同期をフォローしたりした新入生の方も多いのではないでしょうか。
TwitterやLineに代表されるSNS(注1)は非常に便利なツールですが、不適切な使い方によって炎上と呼ばれる状況が起きることも多々あります。
ここでは、SNSを利用するにあたって注意すべきことを実例を交えながら紹介していきます。

東工大で利用されるコミュニケーションツール

まず東工大で利用されるコミュニケーションツールについて、それぞれの利用状況を見てみます。

Twitter

東工大ではかなり利用されているSNSでしょう。
合格発表直後に、新入生が他の新入生をどんどんフォローしていく様子はここ最近よく見られます。
ハッシュタグ#春から東工大もよくみかけます。
大学の各サークルもTwitterアカウントを使った新歓を行っているところがほとんどでしょう。

しかし、入学後数ヶ月もすると徐々に稼働するアカウントが減ってきます。
コミュニティーが形成されるに従って、フォローやフォロワーを少なくした閉鎖的なアカウントやLINEなどに移行しているのでしょう。
また、合格発表直後から入学後数週間程度まではTwitter上でいくつかクラスタが形成されると思います。
ただ、そういったクラスタはしばらくすると消失することが多いように感じています。
理由としては

  • ネット上の人格と現実の人格は異なることが多いので、Twitterで気が合ってもリアルではそこまで気が合わないことがあるから
  • 大学ではサークルを中心として活動することが多いので、同じサークルに入っていないと疎遠になることが多いから

といったところでしょうか。
ただ、個人的な意見なのでそうでない方もいるかもしれません。

LINE

LINEもなんだかんだでよく利用されているSNSだと思います。
様々な理由によってLINEが嫌いな本学の学生はそれなりにいますが、類LINEと呼ばれるLINEグループは毎年どこの類でも作られていると思います。(注2)
2年生になると系LINEが作られてある程度の情報共有がなされることも多いでしょう。
ただ、最初のうちはそれなりに活気があっても徐々に情報共有程度にしか利用されなくなる傾向があると思われます。
また、類Lineで不適切な言動や振る舞いをして話題になることもしばしばあります。

5ちゃんねる

5ちゃんねるで一番勢いのある東工大関係のスレッドは受験生スレでしょう。
これをよく利用していた新入生の方も多いのではないでしょうか。
一方で、在学者向けのスレッドは勢いがありません。
2013年1月に立てられたスレッドが、今年の3月にようやく1000超えした程度の勢いしかありません。
また新入生スレが立つこともありますが、数ヶ月もするとほとんど利用されなくなるようです。
多くの本学の学生は、入学すると5ちゃんねるからTwitterへ移行しているのでしょう。

Facebook

Facebookを利用している学生は多いと思いますが、コミュニティーと言えるほどのものは形成されていないのではないでしょうか。
あっても、各サークルのグループがある程度だと思います。

Mastodon

分散型SNSとして去年辺りから日本で流行り始めたSNSです。
私がMastdonを利用していないので詳しくはわかりませんが、利用者は少ないと思います。
もちろん利用してる学生もいるにはいますが、東工大生が多く集うクラスタは形成されていないように思いますがどうでしょう。
あと正確に言うのであれば、MastodonではなくOStatusActivityPub(訂正2018-03-24 16:17)という規格の方を取り上げるべき(?)かもしれません。(注3)

Slack

SlackはSlack Technologies社のコミュニケーションツールで、Lineのように閉じたグループでチャットを行えるものです。
無料プランもあるため研究室や一部サークルなどで利用されますが、類や系ではほとんど利用されていないと思います。

Mixi

00年代ごろに利用されていた形跡は見られますが、流石にもう利用者はいなさそうです。

東工大の情報倫理

東工大では全学情報倫理委員会が情報倫理とセキュリティのためのクイックガイドを公開しています。
特にSNSの利用に関してはSNSやブログの利用 – 情報倫理とセキュリティのためのクイックガイドに記載されている8つの注意事項が非常に参考になります。
SNSを利用する際にはこれらを忘れずにしてください。
8つの注意事項を以下に引用します。

SNSは,プライベートな場ではない。
SNSは,他人を非難する場ではない。
SNSは,自分の行いを懺悔する場ではない。
SNSでの発言は,取り消せないものと考えよう。
SNS上の情報は,いずれ流出するものと考えよう。
SNSでの発言の匿名性は,いずれ破られるものと考えよう。
SNSの利用者には,善人のふりをした悪人もいることを忘れない。
SNSでの不用意な発言は,激しい批判にさらされることもあることを覚悟しよう。

Twitterでは、いわゆるバカッターと呼ばれる炎上事件がよく生じています。
他人の不適切なツイートをおもちゃのようにして遊ぶ風習は昔から続いており、最終的には氏名や住所を特定して所属する学校や企業に通報することが多いです。
自分では個人を特定する情報を記載していないつもりでも、フォロワーのツイートや画像ツイートなどから特定されることも多々あります。
ツイートを消してもウェブ魚拓が取られていたり、炎上前に取得できる全てのツイートを保存されていたりする場合もあるので油断できません。
先に引用した注意事項を血の掟として、必ず守るようにしましょう。

東工大関係者の炎上案件

東工大関係者が引き起こした炎上案件や炎上しかけた案件について、個人を特定できない形で紹介しようと思います。

教員の炎上ツイート

本学教員のツイートが激しい批判にさらされた事がありました。
その日は前日夜から降っていた雪の影響で首都圏の交通機関は麻痺していました。
平日でもあったため、大学の授業に出席しようとした学生は大幅な遅延と混雑に巻き込まれていました。
Twitterなどでは大学の休講を待ち望む声で溢れていましたが、東工大は休講にはしませんでした。

その状況で、本学教員が学生を少し批判するツイートをしました。
内容としては、授業に1回くらいでなくたって大きな問題はないのだから自己判断で休めばいいのではないかというものでした。
そのツイートの背景には、東工大の多くの講義は出欠を取らないことや東工大の期末試験や中間試験からは時期がずれており出席が重要な期間ではないことが挙げられるでしょう。

しかし、このツイートは軽く炎上してしまいます。
強く批判していたのは東工大の学生ではなく、他大学の学生だったように思われます。
いくつかの大学ではその日に期末試験を行っており、試験を行うにもかかわらず交通機関の麻痺により試験を受けられない可能性が出ていることに多くの学生が腹を立てていたようでした。
当該教員のTwitterのプロフィールには教員であると記載されていたこともあり、イライラしていた学生の反感を買い多くの批判を浴びることになりました。

本件から学ぶべきことは、ヘイトを買う可能性のあるツイートを控えるべきだということでしょう。
ツイートにはだいたい文脈が存在しますが、リツイートされたツイートからは文脈を読み取ることができません。
当該教員も東工大生を念頭に置いてツイートしたのでしょうが、他大学の学生は大学の対応を差し置いて学生自身を批判していると捉えたわけです。
全ての可能性を念頭に置いてツイートするなんて非現実的なので、不用意なツイートをしないようにするのが良いでしょう。

あるサークルが未成年飲酒をさせようとして炎上した案件

本学のあるサークルが、新歓期に見学に来た新入生に未成年飲酒をさせようとして軽く炎上した事がありました。
当該新入生は未成年であったため、飲酒はできないと言ったそうですがソフトドリンクだと偽って飲ませようとしたそうです。
その後に当該新入生がそのことをTwitter上で告発して軽い炎上が起きました。

炎上してからしばらくしてほとぼりが冷めた後に、当該サークルは大学当局から一定期間の活動停止処分が下りました。
私は当事者ではないため、処分が下るに至る経緯はわかりません。
ただ、Twitterで炎上していただけであったのに大学当局が対応を行うに至ったわけです。
これには2つの可能性があり

  • 関係者が大学当局に通報した
  • 大学当局がTwitterを監視していた

のどちらかにより処分されることになったのでしょう。
前者の可能性も十分高いですが、後者の可能性も捨てがたいと思います。
本学では情報工学系の教員を中心に10人以上はTwitterをやっている先生がいらっしゃいます。
一部の先生は学生のクラスタと近い位置にいらっしゃり、こういった炎上案件を認識している可能性は十分あります。

また、Twitterをやっていなくても監視している教職員がいる可能性もあります。
私が1年生の時に受けた授業で、大学は学生のTwitterを軽くは見ているという趣旨の発言をされていた先生がいらっしゃいました。
近年はTwitterで大学生が炎上する事件も多く起こっているので、本当に大学が軽く監視していたとしてもおかしくはありません。
軽い炎上を引き起こすようなツイートは、教職員がチェックし場合によっては大学として然るべき対応をするのかもしれません。

どちらにせよSNSはプライベートな場ではありません。
学生としての本分に反するようなツイートはしないようにしましょう。
また、当たり前ですが違法な行為は行わないようにしましょう。

酔って大学の設備を破壊したらツイートされ炎上した案件

大学のあるイベントの前日に、あるサークルが酔っ払って集団で設備を破壊したところ大事になり警察が呼ばれる事態になりました。
その様子がTwitter上にも投稿され、当該サークルの悪評が広く知れ渡ることになりました。
新歓期になると、当該サークルの新歓アカウントのIDが何者かに取得されたり、当該サークルの悪評を再び広めようとするツイートがされたりするなど多くの嫌がらせが行われるようになりました。

不適切な行為をすると数年間Twitterで言及され続けることがあります。
警察沙汰になっている以上、誰も当該サークルを擁護することはできません。
ネガティブキャンペーンも事実である以上、対応が難しいこともあるでしょう。
ぜひ気をつけてください。

大学施設を破壊する動画を投稿して炎上した案件

本学の学生が大学施設を破壊する動画を、友人がTwitterにアップロードして軽く炎上した案件がありました。
ただし、施設を破壊したといっても軽度なものです。
当該学生が大学からの処分が下ったのかどうかについては定かではありませんが、おそらくなんの処分もなかったでしょう。(注4)

また炎上しかかった後に該当ツイートは削除され、アカウントも鍵アカウントになりました。
しかし、過激な一部の学生が動画を保存したりツイートをバックアップしていたりしました。
その結果、当該学生の本名/顔写真/出身高校/所属類/所属サークルが特定されたり、限定公開されていたサークル活動時の動画が発掘されたりしました。

当該学生やその友人のネットリテラシーが比較的甘かったこともありますが、炎上してしまうといろいろな個人情報が発掘されてしまいます。
個人情報を特定できるような情報はツイートしないことや、炎上する可能性のあるツイートをしないことを意識しないといけません。

LINEグループを作ったら晒された案件

合格発表後にある新入生がLINEグループを作ったところ、その学生に反感を抱いた別の学生が2ちゃんねる(当時)にそのTwitterアカウントを晒した事がありました。
2ちゃんねるに晒された後は、面白がってツイートを発掘しだす人が現れ本名などが特定されるにいたりました。
反感を抱いた理由は、LINEグループを作るやり方が鼻についたからと書かれていたように思います。

合格発表直後から入学後数週間までの新入生のTwitterの雰囲気は異質なところがあります。
特定の人物を囲ったり、特定の人物を過度に持ち上げたりする様子が見られます。
合格で気分が舞い上がっていることや、顔もほとんどわからない人間が相手であることを考えれば仕方のない面もあると思います。
ただ、そういった雰囲気を嫌う人がそこそこいるのも事実です。
多くの場合は不快に思いながらも黙っているのでしょうが、たまにどこかに晒し上げたりすることが起こるのでしょう。

そのような事態を避けるためには、落ち着いたツイートを心がけるようにしたほうがいいのでしょう。
ただ、一部の人が不快に思う雰囲気というのは空気を読むみたいなもので明確に言葉に表せるものではありません。
また、コミュニティーに取り入るためには一部が不快に思うような行為をしなければならないこともあるかもしれません。
難しい問題ですね。

その他

詳しくは説明しませんが、本学の学生が関係する軽く炎上したツイートには以下のようなものがあります。

  • 先輩のレポートを剽窃して提出したら高得点が来たことをほのめかしたツイート
  • 大学の共用スペースで麻雀を行い多くの批判を浴びたツイート
  • 静寂が望まれる大学の共用スペースで楽器を弾いている様子を画像でツイートした事件
  • 新歓期に未成年と思われる人物が、居酒屋で飲酒していると推測される画像を投稿したあるサークルのツイート

東工大生はネットリテラシーが高いという迷信があると思いますが、軽く炎上した案件はいくつもあります。
また不適切なSNSの利用以外にも、不適切な言動がSNSで晒されることも多いです。
新入生の皆さんは本当に注意してください。

インターネットにおける炎上案件

最後に日本における最大の炎上案件を軽く取り扱って終わりたいと思います。
日本のインターネットの一部界隈では、10数年前に炎上した出来事が未だなお話題にされ続けています。
特定個人に対する誹謗中傷や殺害予告が10数年間続いているようです。
本来であれば日本の警察が然るべき対応を行うのだと思いますが、もはや警察の手に負えないレベルになっているのでしょう。
誹謗中傷や殺害予告するためのWebサイトを防弾ホスティングサービス(注5)を利用して構築することで、被害者や警察がどうこう言ったところで閉鎖されることのない強固なWebサイトにしているようです(?)。
また、犯罪予告を行う一部の人間はTorと匿名プロキシを使うことで身元を隠しているようです。

炎上した当初は当事者に反感を抱いた人が誹謗中傷などを行っていたのでしょうが、現在では面白半分で書き込みを行っている人が大半でしょう。
住所なども暴かれてしまったため、自宅に直接嫌がらせをされたりしたそうです。
最悪の炎上ケースでは社会生活に支障をきたすことになります。
皆さん気をつけてください。


1. Twitter社はTwitterのことをSNSではないと主張していますが、ここでは便宜上SNSと分類します。
2. 今年の5類ではLineではなくSlackが利用されているようです?
3. マサカリが怖いです。
4. もともと壊れかかっていたこともあり、そこまで重大な行為ではないと思われます。
5. 防弾ホスティングサービスについてはNorton社のドキュメンタリーが参考になります。

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