タイヤが丸くないラジコンカーが作りたい!

この記事はrogy Advent Calendar 2018 13日目の記事です.

こんちゃーっす
修論の進捗が厳しいおにぎりです.

とりあえず修論から現実逃避して,楽しくものつくりしながらブログ書いてます.

さて今回は,一昨年の非円形歯車,去年の双葉車に続いて特殊歯車シリーズ第3弾です.
もしお時間があればそちらもどうぞ合わせてご覧くださいませ

※注意
ダラダラ書いてしまったので結構長くなってしまいました.
途中に出てくる数式たちについては流し読み推奨です.

1. つくったもの


言ってしまえば,今まで僕はいわゆる “ただの歯車そのもの” を作って回して遊んでいただけでした.
そこで,歯車自体をおもちゃにするのではなく,特殊歯車を使った,まだ誰も作っていないおもちゃを作りたい.そう思ったわけです.

ということで,モーターを使って最も簡単に作れるおもちゃの1つである,ラジコンカーに焦点をあてます.
普通のラジコンカーではつまらない.そこで,僕の思想は

タイヤが丸くなければ面白そう!

でも乗り心地やラジコンとしての操作性は落としたくない!

この問題,1組の歯車で解決できるのでは!!!!!!

ハイ.いつもどおり突拍子がないですね.

何はともあれ作ったものがこちらです.

いかがでしょうか?タイヤが楕円であることを除けば,ほぼ普通のラジコンカーです.
もちろんマイコンは一切使っていませんし,モーターも左右合わせて2個だけです.
察しのいい方は,何やら赤い歯車と青い歯車が重要そうだと睨んでいることと思います.

さて,では具体的にどんな仕組みなんでしょうか?

答え合わせと設計手法は次のページ!

ひっくり返すと動きが変わる歯車!?「双葉車」の動作原理

この記事はrogy Advent Calendar 13日目の記事です.

どうも,修士1年のおにぎり(@manami1433)です.
去年のAdvent Calendarでは,Matlabで非円形歯車という「丸くない歯車」を設計して遊んだぞっていう記事(こちら)を書かせていただきました.

今年も変わった歯車を作ってしまいました.
そして,MakerFaireTokyo工大祭でも展示していました.Twitterなどでも話題になったようで嬉しい限りです.
その時に1番多かった質問『どういう原理で動いてるの!?』を今回は解説していこうと思います.

1. 双葉車って何さ


さて,まずはまだ見てない人のために今回作った歯車をご紹介します.

早速みなさんに問題です.
ちゃんといつでもかみ合って回る平歯車(いわゆる普通の平面の歯車)は,歯の数をどこまで少なくできるでしょうか?

 

答えは,3つです.ただし,同じ歯数同士の場合は5つです.
というわけで,今回は歯数が2つの歯車を作ってみました.

……いやいや待てーい!矛盾しとるやんけ!!
とお思いかもしれませんが,実は作れるのです.

作った歯車は名付けて「双葉車」です.
下のプランターに生えた2つの双葉のようなものがそれです.
「葉」のように見える部分が「歯」です.専門的な言い方をすれば,歯数が2のやまば歯車です.

確かに歯は2つだけど,じゃあ本当に回るの??
では右の歯車を回転している左の歯車にかみ合わせてみましょう.


ほら!ちゃんと普通の歯車と同じように回ります!
形状を3次元に拡張すれば,平面の歯車よりも少ない歯数の歯車が作れてしまうのですね.

でもここからはもっと不思議です.片方の歯車をひっくり返します.

そしてまたかみ合わせると……?

なんと同じ方向に同じ速度で回っちゃうんです!!
普通の歯車では考えられないかみ合い方です.

一連の動作→これ
PVっぽいの→これ

では次ページからなんでこんな不思議なかみ合いをするのか解説していきます!