RISC-VでLinuxの動くマルチコアをつくるのにやったこと (3. 実装・デバッグ編2)

前回のマルチコア時に発生したバグや実装時の注意点の続きです。ここではLinuxを動かした際に出た、ハードウェアバグに関わるカーネルパニックや厄介なエラーを見ていきます。

またそんなバグを特定するために作ったデバッガの紹介もします。

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RISC-VでLinuxの動くマルチコアをつくるのにやったこと (3. 実装・デバッグ編1)

RISC-Vのマルチコア化をやっていますが、1コアでも複雑極まりないプロセッサが2つになってデータの取り合いをするのですから、厄介極まりない事態となります。特にマルチコアでは複数のコアが同じデータを書き換えたりするので、適切な制御がないとデッドロックやデータの破損(異常値)が起こります。

ここではその厄介な状況に対処している仕組みや、実際に起こった厄介な事例の紹介をします。

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RISC-VでLinuxの動くマルチコアをつくるのにやったこと (2. ソフト編)

皆様こんにちは。18のhiraです。
前回ではRISC-Vマルチコアのために必要なハードを書きました。今回はマルチコア上で動くLinuxの作製方法についてです。
(とはいえ動けばいいやのニワカ調べですが…)

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RISC-VでLinuxの動くマルチコアをつくるのにやったこと (1. ハード編)

皆様こんにちは。18のhiraです。
僕はコンピュータ工学をやっているつもりで、研究ではRISC-Vのプロセッサをマルチコアにする作業をしていました。とはいえ、どういう機能を追加する必要があるのか、それはハードで実装するのかソフトで対処するのかなど戸惑ったことも多かったため、備忘録として残しておきたいと思いました。

Intel Core i9 13900K のダイショット
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32bit RISC-V Linuxを作りQEMUで実行する

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりで,最近は作成したプロセッサでLinuxを動かそうとしているらしいです.

そのため対称実験用に正しく動くものが欲しいと思い,作っているプロセッサと同じ32bit RISC-VでLinuxを動かす環境を探していました.そこでプロセッサエミュレータであるQEMUでLinuxを動かしました.

その際,64bit向けはあっても意外に32bit向けの構築方法のまとめは少なかったため,32bit環境でLinuxをソースコードからRISC-V向けにビルドしたり,それをQEMUで実行する流れをまとめました.

やっている内容はほぼリンクのブログ(1)リンクのブログ(2)の丸パクリなのですが,一部変える点があったり,補足したい点があったため記録します.

QEMU上で32bit RISC-V Linuxを動かした際のブート画面
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RISC-Vにおける仮想->物理アドレス変換のまとめ

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりなのですが,最近アドレス変換に触れ理解に苦しんだため,備忘録的にその挙動を記録します(そのため正確性はありません…).

OSが載っているような複雑なコンピュータでは,Excelやゲーム,音楽ソフトなど複数のアプリを同時に動かすことができます.この時,アプリ同士のアドレスが重ならないようにアドレスをずらす機構があります.

この変換機構は Memory Management Unit (MMU) という機構によって行われます.またこの変換方法も代表的なものがいくつかあり,今回は32bitのRISC-Vが公式に使用するSv32を題材として紹介します.

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