機体紹介
機体名:「せともの」
機能:手先をxy方向に駆動/2つのハンドで吸着/ベルトでの搬送/有線コントロール(位置制御)
試合での最高点:19点(通常+18ボーナス+6減点-5)
理論値としてはボーナスとかすべてがうまくいけば通常27、ボーナス18で45点くらい行けるという想定だった。(実際はベルトのつまり、ハンドの吸着とかがかなり難しく、操縦者の22-Daichiと22-McbeEringiが頑張ったので何とか19点取れた感じ)
22-daito:全体管理、ハンド、アーム初期設計辺りを担当
22-Daich:アーム、強電あたりを担当
22-McbeEringi:回路全般、制御全般あたりを担当
メカ
メカ周りは1か月前には終わらせて追加機能とかやりたいねとか言う話をしていましたが、結局本番仕様になったのは超直前でした。一応動く~くらいまでは予定通りだったけど、そのあと本番これで行こうの完成度になるまでの労力見積もりが甘かった。
アーム
基本コンセプトとして
- アルミフレームを用いて軽量&組み立て性&後から調整可能
- 3dプリンタ(ender3とか)を参考にアルミフレームをそのままリニアレールとして使う
- xyそれぞれをロボマス(m3508)で駆動
があった。2段3段にするつもりだったものの、後述するベルト運搬方式のシューティングに変更したためxyテーブルはそれぞれ1段となった。
駆動はロボマスで十分以上で、ラックとピニオンが3Dプリンタ製だが意外と耐えてくれたのもありスムーズに動作した。
主に土台も含めたy軸フレーム、xyをつなぐジョイントユニット、先端にハンドがついたxアームで構成。
結構軽量でできて1週間間に形になった時点で軽量して8kgだったので、16kgの重量制限楽勝だなガハハと言っていたら、直前につけたケーブルやら補強やらで当日16kgを少しオーバーして焦る羽目になった。ネジやナットケーブル類は数あると意外と重いという教訓。
ほぼ限界サイズで作ったが、アルミフレームで分解して運べたので遠距離参加だけど何とかなった。その代わり大会初日は組み立てて終わった。
ハンド
mg996r1つ/ハンドで姿勢保持で動作しつつ、アーム先端に付けるためなるべく軽くしたことがこだわりポイント。
元々は平行リンクで姿勢保持していたが、特異点の問題でたまに手先がひっくりかえってしまうという問題点があったため紐で姿勢保持することに変更。
ベルトが理想だったが、テンション欠けたりでめんどくさいの考えると太めの水糸なら強度十分だよねと考えてTPFEチューブをガイドとして使用。テンションは人力で頑張ってセットしたけどメンテ性がよくなかった。
吸着はマキタの掃除機のファンユニットからダクトホースを伝って伝達。
手先は3Dプリンタ型でシリコン成形して自作。シリコン成形は色々試して結構うまくいったのと、吸着性能の向上以外にクッションになってせとしおの破損を防いでくれたのも嬉しいポイント。
ほんとは3つ付けてキングギドラしたかったものの干渉やら期限やら操作性やらで本番では2アームに。片方が調子悪くなってももう片方で多少何とかなったのは助けられた。
シューティング
物流倉庫的な発想で丸ベルトのラインで瀬戸塩を運搬し、仕切り板みたいのを動かして任意の場所に落とす作戦。
2人操作がルールで認められているので一人はピッキング、一人はシューティングというので分けられて効率アップを狙った。結果的にそこそこうまくいった。
ベルトはDCギヤードモーター、仕切り板はサーボで動かしている。
DCギヤードモーターと用意したモタドラの相性が悪く、そのことに気づくまで結構時間がかかったことにより地獄だった思い出。初動でそんなに電流食うのねキミ…
分担の流れ作業で効率は良かったものの欠点としては、丸ベルトの隙間とかライン間で瀬戸塩を落とすときにたまに詰まる(ベルト逆転させたりガチャガチャさせると治ったりする)ことや、落下防止をつけていてもせとしおを落として減点になってしまったりした点。あと丸ベルト溶着で長さ調整できるのは良かったけど慣れるまで火傷したり大変だった。あと組み立てメンテ性が悪いことに苦しめられた。
実はコートのどっち側に配置されるかでシューティングの左右が変わるので組み替えないといけないのだが、この組み換えは約一時間要するので予選のコート分けによっては組み替えられない事態が発生するところだった。この問題はすべての試合赤コートを引くという豪運で解決した。
回路
設計がよかったのかモタドラ以外の部分で大きく遅延することがなく、そのおかげで大会当日動きましたありがとう。
強電
3Sと4SのリポをDCモーター、ロボマス、弱電へ降圧へ分電しつつリレーをかませて緊停できるようにしている。禁停ボタンは主電スイッチを兼ねており酷使されたがちゃんと止まってくれた。直前に完成したが22-Daichiの丁寧な仕事により負荷がかかった時もちゃんとヒューズが壊れて止まってくれた。
余談だが、もともとはロボットの大きなコンセプトの一つに60W30Vのモバイルバッテリー2つでtype-cのPD給電で動かそうぜ!というのあり、計算上行けたのと実際途中まで動作していたものの、実験中におそらくモータの急逆転時の逆起電力によりモバイルバッテリー1つ(22-McbeEringiの私物)とPD充電器(22-daitoの私物)が葬られてお通夜になったので、ちゃんとlipoに保護回路いれてやろうということになった。そのため結構直前まで安定化電源装置2台給電で動いていた。
制御基板とコントローラ
元々McbeEringiが作っていた極小attiny基板を複数つないで基板見えないくらいにする予定であったが、色々あってesp32を主マイコンとして使用。
DCモーターとモタドラの相性とかで苦しんだものの回路自体はほぼ問題なく最後まで動作してくれた。
- 構成: コントローラx2→主制御→pwm用副制御x2
- マイコン: 主制御?ESP32C3-WROOM-02:ATtiny1608
- アクチュエータ:{xy軸:M3508,ベルトx3:アマゾンの12V500rpmギヤードモータ,ハンドx2 & xy交差地点:mg996rサーボ,シュート左右:sg90,シュート前後:fs90r+可変抵抗→多回転離散サーボ
- お手製コントローラ
- ds風アナログジョイスティック付きメインコントローラ
- wiiヌンチャク風サブコントローラ
- 制御も全部ユニバーサル基板手はんだ
- ボタンを押してからの経過時間のみを変数に取る制御で同期と動作中の割込操作が可能
構成詳細
サブctl
- 上下左右押下5ポジジョイスティック
- tactile sw *2
↓
メインctl - 左右tactile sw dpad
- 基板端tsw2+tsw2
- スライドタイプのアナログジョイスティック
- アキシャルリードタクトスイッチによる密集した実装
- 元々個人で制作中だった無線コートローラを転用
- 主制御板{
主制御用ESP32C3-WROOM-02 - BSS138のレベルシフタ*2
- ステータス用ws2812c-2020
- WiFi経由でモバイル端末から操縦及び値の確認が可能
↓
ベルトモタドラ用ATtiny1608 - TB57H450FNGがなぜか始動トルク出せず
- 2chモタドラTB6612を並列にして使用
}
↓
ファンモタドラ用ATtiny1604 - ESPのPWMが足りなくなって急遽増設
マイコン間通信は一方向のUART
一つのデータは8bitで完結させることでパケロスによる通信のロスを低減
制御
回路で大体述べてくれたので
https://github.com/McbeEringi/setogiwa
を参照。
感想
初期設計からでうまくいったところしては、アルミフレームベースの設計、吸着周り。
修正してよかったのはベルトコンベア、電源と制御基板。
反省としてはメンテ性が低い、部品点数が増えすぎたところ。
モジュールごとに分担していたのはいいけど組み立て統合で時間とられ過ぎたのが完成度に結構影響してしまった感想。
次作るロボットは機能絞ってその代わりに分解組み立てしやすくしたいお気持ちです。でかめのラジコン系とかつくりたいな
目指せ外装までこだわれるロボット!