この記事はrogy Advent Calendar 13日目の記事です.
どうも,修士1年のおにぎり(@manami1433)です.
去年のAdvent Calendarでは,Matlabで非円形歯車という「丸くない歯車」を設計して遊んだぞっていう記事(こちら)を書かせていただきました.
今年も変わった歯車を作ってしまいました.
そして,MakerFaireTokyoや工大祭でも展示していました.Twitterなどでも話題になったようで嬉しい限りです.
その時に1番多かった質問『どういう原理で動いてるの!?』を今回は解説していこうと思います.
1. 双葉車って何さ
さて,まずはまだ見てない人のために今回作った歯車をご紹介します.
早速みなさんに問題です.
ちゃんといつでもかみ合って回る平歯車(いわゆる普通の平面の歯車)は,歯の数をどこまで少なくできるでしょうか?
答えは,3つです.ただし,同じ歯数同士の場合は5つです.
というわけで,今回は歯数が2つの歯車を作ってみました.
……いやいや待てーい!矛盾しとるやんけ!!
とお思いかもしれませんが,実は作れるのです.
作った歯車は名付けて「双葉車」です.
下のプランターに生えた2つの双葉のようなものがそれです.
「葉」のように見える部分が「歯」です.専門的な言い方をすれば,歯数が2のやまば歯車です.
確かに歯は2つだけど,じゃあ本当に回るの??
では右の歯車を回転している左の歯車にかみ合わせてみましょう.
ほら!ちゃんと普通の歯車と同じように回ります!
形状を3次元に拡張すれば,平面の歯車よりも少ない歯数の歯車が作れてしまうのですね.
でもここからはもっと不思議です.片方の歯車をひっくり返します.
そしてまたかみ合わせると……?
なんと同じ方向に同じ速度で回っちゃうんです!!
普通の歯車では考えられないかみ合い方です.
では次ページからなんでこんな不思議なかみ合いをするのか解説していきます!
うわーすごい~!
目が回りそうですw
この構造でポンプが作れないかなぁ、などと妄想してしまいますた
通りすがりさん
ご意見ありがとうございます~
ねじポンプや歯車ポンプのイメージですかね?
その路線も考えたのですが,この歯車を使うことによる利点が思いつかなくて……
というのも,普通の歯車に比べて伝達効率悪いんですよね.
むむむ……という感じです.可能性は捨てたくはないですが.
先のコメント後、しばらく動画を見てたら、ウォームギアっぽい
形状(ふたばギアは上下対称ですね)から、トルセンデフを連想
しちゃいました。
>普通の歯車に比べて伝達効率悪いんですよね
う~ん、そうなのですか・・・。
動画を見ていると、結合時のショックが無さそうなので
その辺が活かされる用途がみつかるといいかも。
動力伝達からは大きく方向が逸れますが、ふたばちゃんの形って
食品の練り物とか穀物の粉砕で試したくなる形状ですw