RGB-Depthセンサを自作しよう【2-同期撮像編】

15 の nomo ( @nomotech )です。

この記事はrogy Advent Calender 2020 21日目の記事です。

RGB-Depthセンサを自作しよう【1-基礎知識編】の続きです。
今回は同期撮像についてです。
早速深度センサを自作していきます。

ハードウェア

材料

今回使用するのは以下の部品

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RGB-Depthセンサを自作しよう【1-基礎知識編】

こんにちは、15 の nomo ( @nomotech )です。

この記事はrogy Advent Calender 2020 20日目の記事です。
ちょっと諸事情合って記事の公開が遅れました、すみません。

今回から 5 回にわたって連載していきます
まず1回目は基礎知識編です。

近年ロボットや VR などの分野で3次元計測の需要が高まっています。特に静止物体ではなく移動物体の3次元データが欲しいという機会は多いと思います。

皆さんは通常深度情報が欲しいなというときには市販の深度センサを購入して使っていると思いますが、市販されている深度センサは速度面で問題があったり使用用途に対して最適なものになっていなかったりすると思います。

実際ロボットで画像使いたい場合って長距離はLIDERとか使えばいいと思うんですが、ピッキングをする場面などで、近距離の物体の形状を知りたいというときにちょうどいい測定距離のセンサがあんまりなくないですか?

ということで、今回は高速に深度とカラーを得られるRGB-Depthセンサを自作していこうと思います。
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今年のNHKロボコンと角管曲げ加工の紹介

皆さんメリークリスマス、18のたくぽんです。

この記事はrogy Advent Calender2020 の25日目の記事です。

タイトルの通り今年(2021)のNHKロボコンのルールの紹介をして、それだけだと寂しいので去年の角管曲げ加工についても少し触れようと思います。

NHKロボコン2021 投壺~トゥフー~

中国の伝統的な遊びがモチーフになっていて、フィールド上の「壺」に向かってロボットが矢を投げ入れます。各チームDR(ディフェンスロボット)とTR(スローイングロボット)の2台のロボットを制作し、壺に入れることのできた矢の本数で点数を競います。

今年の大きな特徴は相手への妨害が許可されていることです。いくつかの「壺」は回転するテーブルの上に取り付けられており、DRが回転させて壺の位置を動かすことができます。穏やかじゃないですね。

テーブルを回転させるDR. 素行が悪い
矢を投げるTR. (スローイングロボットでTRはロンバイとおんなじですね)

詳しいルールはこちら

久々の対戦型ルールで、2017年のAPPARE!を思い出します。名実ともにどつきあうロボコンになるので(特に見てる側は)とても楽しいルールだと思います。

角管曲げ加工の話

2020年のルール「ロボラグビー」では、相手から飛んできたラグビーボールが期待に衝突する危険がありました。そこで、ボールから回路を守る回路ガードを制作しました。

左がTRのサリー、右がPRのロニーです

角管を曲げた部品をふんだんに使っています。軽いし強いしオシャレだし、最高ですね。

↓は自分が担当したロニーの回路ガードです。スーパーカーのガルウィングみたいに斜めに開くので、回路へのアクセス性も良いです。

 

曲げ加工には自作のベンダーを利用しています。

自作の曲げ加工機.

おしまい

今年は何かと大変な状況ではありますが、大会出場・優勝を目指して頑張っていますので、応援よろしくお願いします!

 

フェイズドアレイソナーを作りたい ~ MUSIC法 ~

 

こんにちは.18のhiraです.

僕は水中ロボットを製作するアクア研で活動しています.そんな水中探査では観測により地形図の作製をすること(マッピング)が目標だったりするのですが,水中では電波が急速に減衰するためレーザー測量を使うことはできません.そのため超音波ソナーを使います.しかしこの音波というものは指向性に乏しく,あらゆる方向の反射波が重なってしまいます.そこで,今回はその反射波を数理的に解析し高度なマッピングを行うソナーの信号処理について書いていきます.

天下(海中?)のJAMSTECのが測海して作製した海底地図.こんなマップを作ってみたい

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水中ロボコン参加報告

こんにちは.18のhiraです.

今回は先日12/5,6の土日に海洋開発研究機構(しんかい6500使っている研究機関!)にて行われた「水中ロボットコンベンション in JAMSTEC 2020 ~海と日本プロジェクト~」についての報告です.

水中ロボコンは文字通り水中で潜水艇ロボットを走らせ,沈められたブイにタッチしたり,写真をとったりします.最近では自律ロボットAUVも盛んです.

そんな水中ロボコンですが,例年は8月末に開催されるのですが,今年はコロナの影響で12月初めの開催となりました.ロボット技術研究会アクア研からは17が製作した「Iwatobi」と18,19,20が製作した「イカヒコーキ」の2機が出場しました. “水中ロボコン参加報告” の続きを読む

低温調理機で鶏むねをおいしくいただく

この記事は rogy Advent Calender2020 19日目の記事です。

こんにちは、18のたくぽんです。

皆さんは低温調理というものをご存じでしょうか?食材を低温(60℃くらい)で長時間加熱することで、より柔らかく・おいしくいただく調理法です。鶏むね肉や魚介類が特に有名ですね。

しかし専用の低温調理機は高価で、なかなか手が出るものではありません。でも私も低温調理して豊かな食生活を送りたい。

低温調理機の雄 BONIQ(お値段2万円)

ワンコインで1kgも食べられる素晴らしい肉、鶏むね肉。これを簡単においしく食べるべく、簡易的な低温調理機を作成しました。

はじめに

低温調理機を作るにあたり、部品構成やプログラムについて以下のサイトを参考にさせていただきました。

とらちのぶろぐ

Roy’s kitchen

構成

低温調理機の構成

鍋の温度を測定し、所望の温度に保つようにSSR(ソリッドステートリレー)を使って鍋の電源のON/Offを切り替えます。

ちょうど家に授業関係で買ったArduinoが転がっていたので、マイコンはこれを使うことにします。

製作

初めてのマイコン工作でしたが、ネットの情報を参考にサクサク進められました。先人は偉大。

一通りできたので試してみる

要素ごとの動作確認ができたので、一度統合して動かしてみます。

良い感じ👍

でもこのままだともじゃもじゃで取り回しが悪いので、ケースを作っていきます。電池駆動にしてPC抜きで動作できるようにもしたい。

ケース制作

CADで設計して…

3Dプリンターで出力して組み立てて…

塗装!!

SSRまわりもコンパクトにして、本体とコネクタで繋げる方式にしました。

完成!

良い感じにまとまりました。△ボタンで設定温度を変えられるので、いろんな調理に対応できます。

完成した低温調理機

鶏むね肉を調理してみましたが、めちゃ柔らかくできました。外側と内側で色のムラが無く、全体に均一に熱が入っていることが分かります。

60℃で90分加熱した鶏むね肉

おしまい

目的のものを作ることができて大満足です。今後は温泉卵とかローストビーフにも手を出していきたいですね。

明日はnomotech先輩の記事になります。お楽しみに!

二人三脚を一般化してみた

こんにちは.15のmaruxです.

この記事は rogy Advent Calender 2020 3日目の記事です.
唐突にアドカレを書きたくなったものの,以降の日程はすべて埋まっていたため時を遡ることにしました.

さて,皆さんは二人三脚というものを知っていますか?
勿論ご存知かとは思いますが,一応説明をしようと思います.
二人三脚とは,2人の人間A,Bが組になり,Aの右足とBの左足を纏めて縛った状態でゴールまでの速さを競う競技です.
運動会ではおなじみですね.

ただ,この二人三脚,人数も足の縛り方も限定されていて少し寂しいです.
掛け声も1,2,1,2の連続で少し味気ないですしね.
そこで,本記事では二人三脚を拡張していき,二人三脚に自由度を与えていこうと思います.
特に,どんな掛け声にすれば自由度を上げても進めるか,というところに興味があります.

まず,二人三脚がどうしてイッチニイッチニの掛け声で進めるかを考えようと思います.そのために人間の脚をグラフにモデル化しましょう.

これが人間です.

丸(以後頂点と呼びます) が1本の脚を表していて,緑色の線分(以後辺) により2本の脚を同時に動かすことはできないという拘束条件を表すことにします.

この人間を基にして二人三脚をグラフで表現すると下図のようになります.

ここで赤色の辺は,縛られていて同時に動かさなければならないという拘束条件を表します.

これらの頂点に色を割当て,その色に従って進むことにしましょう.
つまり,「赤!」と言われたら赤を割当てられた脚を前に出すということです.
まず,きちんと進むためには緑の辺で結ばれた頂点の組は異なる色が割当てられる必要があります.
もし同じ色が割当てられていると,その人は2本の足を同時に出す必要が出てきてしまいます.
また,赤の辺で結ばれた頂点の組には同じ色を割り当てる必要があります.
2本の脚は結ばれているため,別々に動かすことが不可能であるからです.

ここで,赤の辺で結ばれた頂点に関しては同じ色が割当てられるので,1つの頂点とみなしてしまってもいいことが分かります.(縮約と言います)

この操作を行うと上図のようにグラフは分かりやすくなり,隣接する頂点には同じ色を割当ててはならないという条件のみが残ります.

下図を見てわかる通り,二人三脚の場合では2色あれば適切に割当が可能です.
1色では不可能なので,二人三脚は2種類の記号による掛け声であれば進めるということを理解することができました.

 

次に,よく知られた二人三脚の拡張について触れたいと思います.

まずはn人n+1脚について話そうと思います.
たまにテレビの企画とかでやってる30人31脚みたいなやつですね.
それを先ほどの形で記述するとこうなります.
これを縮約してやると,

このようになるので,

こんな感じで2色で適切な割当にすることができます.
つまりn人n+1脚は2種類の記号による掛け声であれば進めます.

次にムカデ競争について見てみると,

上図のように記述できるので,縮約すると

という形になり,

ムカデ競争についても2種類の記号による掛け声であれば進めることが分かります.

さて,ここまで非常に限定的な拡張について見てきましたが,ここから更に拡張していきましょう.
n人m脚を考えていきたいと思います.


例えば,上図のように繋いでみた場合はどうでしょうか.
(長い赤い辺はムカデ競争の板のようなプレートで繋がっていると思ってください)
これも縮約を繰り返して色を割当ると,と,なり3色で適切に割当が可能なことが分かります.
したがってこの結び方の場合,3つの記号の掛け声で前に進むことができます.

では,一般には何色あれば色の適切な割当が可能なのでしょうか?
ここで考えるグラフには2つ条件を付けたいと思います.

まず1つ目の条件は割当不可能なグラフではないということです.

つまり,上図の上側の人のような,片方の脚から赤い辺を辿るともう片方の脚にたどり着けるような人は居ないということです.
こうした人が居た場合,赤の辺の拘束により両足を同時に動かす必要がありますが,緑の辺の拘束により同時に動かすことができず,適切な割当が存在しません.
逆も同様に成り立ちます.

次に2つ目の条件は,辺は平面上で交差しないということです.

上図で人間がどんな様子になっているかを考えると,紐のような拘束が空中で交差していることになり非常に危険です.
また,緑の辺と他の辺が交差している場合,人間の股下を何かが通っていることになりやはり危険です.
したがってここでは考えないことにします.

この2条件を満たすグラフを考えると,そのグラフは平面上で辺の交差なく描かれていることが分かります.
つまり平面的グラフ(平面上に描くことのできるグラフ)であります.
有名な4色定理 から4色で適切に割当が可能であることが分かり,4つの記号つまり1,2,3,4,1,2,3,4,…の掛け声でn人m脚は進行可能であると分かります.

逆に,下図のような例で4色必要なため,4色は必要である例があることも分かります.

これで二人三脚の拡張が少しできました.
いやでもしかし,まだ拡張できそうではありませんか?

そう!二人三脚の”人”の部分です.
いまやペットを飼うのは当たり前の時代,犬や猫と一緒に二人三脚したいという人も少なくないはずです.

そこで4足歩行の動物も含めて考えてみましょう.
まず,四足歩行の動物はどの脚も同時には動かしてはならないものとします.
つまり,下図のように表現されるわけですね.


こうして表現すると,出来るグラフはどの辺も高々1度しか交差しないようなグラフになります.
こうしたグラフは1-平面グラフと呼ばれ,6色あれば色の割当てができることが知られています.
また,下図の例で6色は必要であるので,6色が下限であることも分かります.


よって4足歩行の動物とともに二人三脚したいとき,1,2,3,4,5,6,1,2,3,4,5,6,…の掛け声で進むことができます.

 

これで一般化二人三脚の話はおしまいです.
最後まで読んでいただきありがとうございました.

ケーキを上手に切りたい

この記事は rogy Advent Calender 2020 18日目の記事です.
こんにちは, 15のとくちんです.

クリスマスにはクリスマスケーキを食べるといった方も多いかと思います. しかし, 複数人でケーキを食べる場合, ケーキを人数分等しく切り分ける問題に直面します.

ケーキの上手な切り方について検索すると, 多くの方法が見つかります.
いくつかの方法で共通するのは, ケーキの中心に印をつける, 中心に包丁を入れて切る, といったケーキの中心に当たりをつけることです.
しかし, どのくらいの精度でケーキの中心がとれればいいのでしょうか?
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位相同期モデルでライブ会場を再現してみたい

こちらは rogy Advent Calender 2020 16日目の記事です.

先日このAdvent Calenderの5日目の記事として,振動子の同期について紹介がありました.

記事中ではメトロノームや蛍の発光の同期が紹介されていました.

実際,同期現象は自然界であちこちに見られます.

ところで,私たち自身が非常に分かりやすく,振動子として同期している場面があります.

ライブです!!!!!

曲に合わせて,あるいは周りの人と一体になって振っているキラキラの光は,まさに振動子と言えそうです.

実会場のライブも中々参加できない今日この頃ですが,シミュレーションで会場の一体感を再現してみようと思います.

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