Compliant Mechanismな波動減速機をつくる

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。この記事はロ技研新歓ブログリレー2022の2つ目の記事です。

皆さんこんにちは、18のたくぽんです。

今回はうねうねする波動減速機を作ったので紹介します!

波動減速機とは

ハーモニックドライブといった方がなじみがあると思いますが、小型で高減速比が得られてそのうえバックラッシも無いという、ロボット屋さん垂涎もののすごい減速機です。ちなみに波動減速機が一般名で、ハーモニックドライブは登録商標です(クローラとキャタピラ、結束バンドとインシュロック、定荷重ばねとコンストンみたいな関係)。
ロ技研のブログでも、以前spana先輩が3Dプリンターのみで波動減速機を製作しています。

今回の機構のコンセプト

ここで、波動減速機の代表であるハーモニックドライブの構造を見てみます。

ハーモニックドライブの構造 出典:ハーモニックドライブシステムズ

注目するのはフレクススプラインというおわん型の部品です。この部品が楕円に変形することで波動減速機が成り立っており、ある程度柔軟に変形できる必要があります。一方でおわんの底は出力になっているので、トルクを伝達するためにもこの部分は変形してはいけません。これらを両立するために、おわんにはある程度の「深さ」が必要になります。

この深さを小さくできると減速機を薄くでき、よりコンパクトになります。今回の製作では、「おわんの底を変形させることで必要な深さを減らす」ことに挑戦しました。

Compliant Mechanism

おわんの底を変形させるといっても、トルクを伝達するためにねじりには強い構造にしなければなりません。

この課題に対して、物体の構造によって変形を制御する、「Compliant Mechanism」と呼ばれるものを使いました。これを用いて、動径方向には柔らかく、回転方向には固い構造を考えました。

できたもの

波動減速機の部品たち

減速比は1/15です。波動減速機にしては小さいですが、この方がよりうねうねして面白いですね。

おわり

今回の減速機は基本的に3Dプリンタを用いて製作しましたが、ロ技研には3Dプリンタをはじめとするいろんな設備があって自由に使えます!ものつくりへのハードルがめちゃ下がる環境なので、ぜひロ技研に入部して色々面白いものを作ってください!!

ではまた~

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