初めまして、17のバンル( @17_bnr )です。
この記事はrogy Advent Calendar 2022の11日目の記事になります。
2022年10月29日・30日に工大祭が3年ぶりに現地開催されました。
ご来場いただいた皆さん,ありがとうございます!
作品紹介
自分は以下の作品を出展させていただきました。
作品写真
作品動画
作品概要
裏で鳴っている音程と同じ音程を
手元のスピーカーで鳴らすゲームです。
手元のスピーカーの音程は,
箱の中で手を上下させると操作します。
裏で鳴っている音程と手元のスピーカーの音程を
一定時間同じにできたらクリアです。
裏で鳴っている音程は1つ前のプレイヤーの
クリアまでの秒数を12で割った余りから選択しています。
作品紹介の記事って
「どうやって作ったか?」
に比べて
「なぜ作ったか?」
の記事が少ないな気がしたので,
今回は,主に「なぜ作ったのか」に絞って書いていきます。
(よって技術的な話は今回しません)
制作動機
レギュレーション作り
完全な自由は選択肢が多すぎて作品完成まで至りません。
そのため,まずは「したいこと」と「したくないこと」から
レギュレーションを作り,ある程度の制限を設けます。
今回のレギュレーションは以下の5つです。
1. 非接触で完結するもの
2. 参加者が体験可能であるもの
3. 光または音を放ち,遠くからでも認識できるもの
4. 便利ではないもの
5. 新規性のあるもの
今回これらのレギュレーションを設けた理由は以下の通り
1. 非接触で完結するもの
コロナ禍のためそもそも接触は好ましくない。
アルコール消毒させる等の負担を参加者に与えたくない。
2. 参加者が体験可能であるもの
3年ぶりに現地開催ができたため。
参加者も作品内に組み込みたい。
3. 光または音を放ち,遠くからでも認識できるもの
体験してもらうにはまず目立つことが重要。
光や音があると目立ちやすい。
4. 便利ではないもの
便利なものは,解決すべき不便性のある場所に置いてこそ初めて価値を発揮する。
今回は“工大祭で展示”が目的のため,便利性の観点は不要。
5. 新規性のあるもの
車輪の再開発は行いたくない。
まだ世にないものを制作したい。
テーマ作り
便利なものを作りたい場合は,
解決したい不便性がテーマになりますが,
今回はそれを行わないため,テーマが必要になります。
ここで,レギュレーションとテーマの違いを確認しておくと,
レギュレーションは制作するものの範囲を決めるのに対して,
テーマは制作する最も根本的な設計図という違いがあります。
そして,このテーマ自体が「なぜ作ったか?」に対する最も簡単な答えになります。
今回のテーマは
「無意識な他者の影響」
としました。
特に,個人がそれぞれ持っている目標も
知らず知らずのうちに他人からの影響を受けて
設定しているのではないかと考え,
目標値の生成に他人の影響を組み込むようにしました。
手段選定
レギュレーションとテーマが決まれば,
次は具体的な手段を選びます。
レギュレーション範囲内で,
最もテーマを表現できる手段を選ぶだけなので,
そこまで難しいことは必要ありません。
・ToFセンサを使って非接触で操作可能にする
・操作するものは音程とする
・目標の音程と同じ音程を出すというゲーム性を持たせて,
便利不便の領域から脱する
・他者の影響を組み込むために目標値生成に他人の行動を引数とする
・無意識さを表現するためにできる限り白を基調とする
実装
手段が決まればそれらを組み合わせて物を作ります。
やることは決まっているので後は頑張るだけです。
最後に
自由に物を作る場合,
まずは自分でレギュレーションやテーマを作成する必要があります。
学生最後の年にそのレイヤから物を作る経験ができて,
とても楽しかったです。
また,今後工大祭等の展示で作成者に何か質問したい場合は,
「どうやってこれを作ったか?」以外にも「なぜこれを作ったか?」
の観点で質問すると喜んで回答してくれると思います。
明日はたくぽんの記事です。
お楽しみに!