【第12回キャチロボ】エンドエフェクタと爆速ハンドの紹介

みなさんこんにちは、2018年度入学、M2のたくぽんです。
先日第13回キャチロボバトルコンテストが終わりましたが、今回は第12回大会の記事です。

去年のアドベントカレンダーで書くはずだった機体の解説を書いていきますよ。

他のキャチロボ関連記事も見てね!
大会参加報告
直動回転差動機構の紹介記事
電装の紹介記事

改めて試合の様子をご覧ください(青チームです)

いい感じにじゃがりこを回収してますね。
試合開始直後に小さいロボットがじゃがりこを一個回収したあと、でかいロボットが残りのじゃがりこを回収してるのが分かるかと思います。

今回は、でかいロボットの手先、じゃがりこを掴んでる部分である「エンドエフェクタ」と、試合開始後3秒でじゃがりこを1つ回収している小さいロボット「爆速ハンド」について紹介します!

エンドエフェクタ

こんなのを作りました。

吸盤が付いていて、変形してその配置が変わるようになっています。

機構を思いつくまで

今回のキャチロボでは,↓のように並んだじゃがりこをシューティングBOXに入れるという課題でした.

相手よりもたくさんのじゃがりこを確保できれば、それだけ勝利に近づきます。
ということで、「共通エリアの過半数、5個のじゃがりこを相手よりも早く確保できること」を設計目標に定めました。
早く確保するためには数個ずつちまちま回収するのではダメだろうということで、「共通エリアの5個は同時に回収する」ことにしました。

ここで問題になるのが、じゃがりこの配置です。自陣は1個並んでいる列・2個並んでいる列が100mm間隔で交互に並んでいますが、共通エリアは140mm間隔で1列に並んでいます。加えて、プレイス先のシューティングBOXは100mm間隔の格子型です。

じゃがりこの配置

それぞれ配置が違うので、自陣回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス、共通回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス、というふたつの場合を考えないといけません。

それぞれに専用のハンドを作るのはスマートじゃないですし、ロボット内でじゃがりこを並び替えるのも大変そうです。
自陣・共通・シューティングBOX、3つそれぞれが違う並びなのが難しいポイント。

どうしようかな~~~
おや?自陣とシューティングボックスの配置、これは…??

天啓 𝒉𝒂𝒔 𝒄𝒐𝒎𝒆 …

「く」の字型の並びが、自陣とシューティングBOXで共通してる!!!
おなじ並びなので、「く」の字型配置のハンドなら、自陣とシューティングBOXの両方で使いまわせます。この気づきで、「く」の字型配置のハンドを使うことによって、自陣回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス の際のじゃがりこ並び替え工程が不要になりました!

これで、自陣・共通・シューティングBOXの3つの並びに対応する問題から、「共通エリアの140mm間隔の1列」と「自陣・シューティングBOXの『く』の字」の2つの並びに対応するハンドの開発という問題に落とし込め、問題が簡単になりました。

機構の設計

じゃがりこの回収方法については、吸盤を用いた吸引を採用することにしました。じゃがりこの天面にさえアクセスできれば回収できるので、パカパカ開閉するハンドに比べて干渉問題が起きにくそうです。

ということで、
・共通エリアの5つのじゃがりこを同時に回収できて
・それを「く」の字型配置を含むシューティングBOXの並びに変更できる
・吸盤をじゃがりこ天面にあてがうことで回収を行うハンド
を設計すればよさそうです。

こんな感じの、マジックハンドを変形させたようなリンク機構を使えばうまくいきそう。

メモ書きで汚いですが、赤色が吸盤です。中央の直動対偶(にくっついてる回転対偶)を動かすと、鳥が羽を広げるような動きでリンク機構が開閉します。

共通エリアモード、自陣・シューティングBOXモードの2値を取れればよいので、モーターは使わずにエアシリンダで駆動することにします。

機構のコンセプトが立ったので、リンク比をいい感じにしていきますよ。
フンッ

👈最初のスケッチ 最終的なリンク比👉

2時間CADのスケッチを凝視してたらいつのまにか最高のリンク比が目の前に…!!
各吸盤の目標位置との偏差は0.5mm以内に収まってます💪

リンク比が決まったのでもりもりモデリングして完成!

手先なのでがっつり肉抜きしてます
各エリアの回収方法

共通エリア回収後の変形動作が最高だからみんな見てくれ

爆速ハンド

「共通エリアに進入するには自陣のワークを1個以上シューティングBOXにプレイスしないといけない」というルールがあります。爆速でプレイスを終え、相手よりも早く共通エリアのじゃがりこをせしめてやろうということで、1個のワークを爆速でピック&プレイスする、爆速ハンドが生まれました。

試合開始後この爆速ハンドで1個プレイスし、シューティングBOXの空いた部分に共通エリアの5個をプレイスすることでシューティングBOXを1つ埋めます。今でもこのコンセプトはどこよりも良かったんじゃないかな~と思ってます。

最高のコンセプト

できたやつ

これが「爆速ハンド」だ!

がっしゃんがっしゃん派手に動いとりますね。
ピック&プレイスを終えた後は、メイン機体の邪魔になるのでフィールドの裏に引っ込んでもらってます。くるりんぱ。

この機構,完成したのが大会数日前だったので、いろんなところがはちゃめちゃな仕上がりになっちゃいましたが、とりあえず動いてよかったです。
本番では爆速ハンドで回収したオブジェクトは破損判定もらっちゃったんだけどね…

ハンドのしくみ

高速で動くアームの先端にハンドが付くので、軽量化のためにできるだけ把持にアクチュエータを割きたくない。1度だけ把持できればよいので、ねじ歯車とツメを使ったパッシブな機構を考えました。ほぼほぼ3D🍮製の機構で、割と軽いです。

ハンドをじゃがりこに押し当てると、ツメに引っかかって把持ができます。ソレノイドを駆動することでロックが外れ、ツメが開いてプレイスできます。おもしろ機構をつくれたのは楽しかったけど、動きが渋かったのが改善ポイント(大会本番はシリコンスプレーを塗りこんで事なきを得ました)。

次は2023年のキャチロボの記事を書きます!

ずっと放置してたキャチロボ2022の記事をようやっと書きました。次はキャチロボ2023の機体紹介記事を書きます!工大祭で展示するので、それまでに書けたらいいな…(工大祭は明後日!)

ではまた!

32bit RISC-V Linuxを作りQEMUで実行する

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりで,最近は作成したプロセッサでLinuxを動かそうとしているらしいです.

そのため対称実験用に正しく動くものが欲しいと思い,作っているプロセッサと同じ32bit RISC-VでLinuxを動かす環境を探していました.そこでプロセッサエミュレータであるQEMUでLinuxを動かしました.

その際,64bit向けはあっても意外に32bit向けの構築方法のまとめは少なかったため,32bit環境でLinuxをソースコードからRISC-V向けにビルドしたり,それをQEMUで実行する流れをまとめました.

やっている内容はほぼリンクのブログ(1)リンクのブログ(2)の丸パクリなのですが,一部変える点があったり,補足したい点があったため記録します.

QEMU上で32bit RISC-V Linuxを動かした際のブート画面
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2023新歓ブログリレーのお知らせ

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。

23年度イベント指揮となりました21-abeと申します。

今年も新歓ブログリレーとして、いくつかの記事を公開していく予定です。
少しでも興味を持ってくださった方はぜひチェックしてくださいね。

この記事では、現時点で予定されている新歓イベントについて紹介していこうと思います。

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RISC-Vにおける仮想->物理アドレス変換のまとめ

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりなのですが,最近アドレス変換に触れ理解に苦しんだため,備忘録的にその挙動を記録します(そのため正確性はありません…).

OSが載っているような複雑なコンピュータでは,Excelやゲーム,音楽ソフトなど複数のアプリを同時に動かすことができます.この時,アプリ同士のアドレスが重ならないようにアドレスをずらす機構があります.

この変換機構は Memory Management Unit (MMU) という機構によって行われます.またこの変換方法も代表的なものがいくつかあり,今回は32bitのRISC-Vが公式に使用するSv32を題材として紹介します.

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【何人必要?】『三体』の人列コンピュータを設計する!ところが…

明けましておめでとうございます.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりなのですが,近年は1つのプロセッサの性能向上が限界に達しつつあり,代わりにマルチコアだったり,AIや行列計算用の専用プロセッサを組み合わせることが主流となっています.

ところが専用プロセッサは少量他品種であり,そのために複雑な回路を設計することは今まで困難でした.

ここに現れたのがGoogleが後援するOpenMPWプログラムです.これはGoogleColab上でDSLXというVerilog(回路のプログラミング)っぽい言語でコードを書くと,それが実際のカスタムプロセッサに変換され,さらに提携しているファブで製造までされるという企画です!しかも内部表現としてXORなどの論理演算の数や,その演算同士のつながりのグラフが得られます.
(設計にはこちらのOpenMPWチュートリアルを参考にしました)

チュートリアルにあった単純な加算回路

となればやりたいことは1つですね.『三体』の人海戦術の手旗信号による人列コンピュータには何人必要か.三体問題専用プロセッサを作って検証してみましょう!

この記事で作製したMATLABファイル,GoogleColabのipynbファイルはリンクのGithubにありますのでご参照ください.

(注: 以下の記事には『三体』のネタバレを含みます)

計算陣形<コンピュータ・フォーメーション>!

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今年のCheeseの大会結果

この記事はrogy Advent Calender 2022の25日目の記事です。

……ただいま25日の46時くらいです。

Cheeseの組長をしている18-Hitomosiです。

Cheeseは、マイクロマウスというロボット競技に参加している研究室です。

Cheeseは今年度の全日本学生マイクロマウス大会に4人が出場しました。クラシックマウス競技に2人、マイクロマウス競技に2人です。

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プチコン 5年ぶり開催!

プチコンを5年ぶりに開催しました!

フィールドは、SSR杯のを基に製作


日々の活動をしながら、精鋭たちが機体をもちよってくれました


ライントレースカーに2足歩行、振動運動、様々な種類が集まっています

いくつか賞も与えられました
自由な雰囲気でロボコンできるのは、ロ技研ならではですね!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

割と個人的に好きなアイツ

みなさんお元気ですか?ごきげんよう!この記事は rogy Advent Calender 2022 の24日目の記事です。世間はイブで熱々ですが、懐が寒くなるこの時期、あったまりたいですね?燃やすんだ回路で有名な21-miyaです。え?その人はもう知ってる?僕は有名実況者では無いはずだけどなぁ

導入

今日はよく廃墟で見かけるアイツのことみなさんお忘れでは無いですか?

そう、どこにでもいるアイツ…

ゴキ..ではなくキャタピラについての話です。

まとまってるサイトはすでにいっぱいありますが、あえて駄文を承知で書きます。

歴史

ざっくりまとめると重いものを運ぶために蒸気機関の頃に発明され、のちに戦車として発展、改良されてきたもので、重機や戦車として良く用いられている。近代的な面白い足回り。

動機

作りたいと感じるものがそこにあった。そこに理由はいらない気がする。強いて言えば、ライントレース大会でシンプルにタイヤのおもちゃを作るのは負けだと思ったからというのが大きいです。しかし、ちゃんと以下の条件を踏まえているので紹介してみます。

 

利点と欠点

一般的なキャタピラの弱点と強みには以下のようなものがあります。

利点

一般にキャタピラには

・耐貨重量が大きい

・かっこいい

・停車時に安定しやすくそのまま反動が大きい動作ができる

・不整地に強い

・とにかくカッコいい

という利点があることが知られていますね。

 

欠点

・燃費が悪すぎる

・一箇所でも破断すると動けない

・メンテナンス性が良くない

・振動・衝撃が車体に伝わりやすい

 

その上で、利点はロボコンの役には立たないし、欠点は燃費が悪い=伝達効率が悪い、メンテナンス性が良くない(=作りずらい)はかなり致命的であるため、弊サーではあまり採用する人がいません。というか、私は弊サーで作っている人を見たことありません。

しかし、カッコいいのに悲しいじゃないですか!!しかも、個人的には不整地で走れることから無人探査機として激アツなので作って見たいというのもあります。

これが私が開発をしようと思った理由です。

ちなみにアルミではなく3dプリンターをチョイスしたのはsd90ーhvを駆動用のモーターにするつもりだったので、普通に軽くないといけないことと、安いこと、加えて追加工できることがあげられます。

経過報告

結論から述べると完成しませんでした。。。

(性根が)腐ってやがる。。。(いや、納期が)早すぎたんだ。。

庵野秀明、『風の谷のナウシカ』を熱く語る - ひたすら映画を観まくるブログ

というわけで、意味があるかはわからない現状報告が下になります。

設計開始

まず私はこのサイトを参考にして設計を開始して以下のような部品を設計しました。ここで注意したポイントは軸の高さを揃えることと、干渉しないように大きい方の円のサイズや切り欠きを調整したこと、できる限り太くて頑丈なボディを心掛けつつ、切り詰められるところを減らして軽くしたことなどです。

ここまでは良かったのです。

ここまでは。。。

次に、これに軸を作って並べる作業を始めました。22こ並べてジョイントする、簡単なお仕事です。

あれれ、辛い上に繋げるとバグるぞ?私の頭の中には疑問符が湧いてきました。なんでこんなことをやっているんだろう?というか印刷して見ないとそもそも(組み合わさるかどうか、ちゃんと動くかどうかは)なんもわからんくないか?

それでも全部並べて見たのが先ほどの画像です。

ナンテコッタ

印刷

しかし眺めていても大きさは分かりません。じゃあこれを印刷しよう!(3dプリンターは印刷するまで誤差がわからないため)印刷してから実測値を出し、ギアの回転数から歯数を割り出して中のギアを設計するんだ。というわけで3dプリント用のコード生成ツールに並べました。

さすがは量産!壮観だなぁ

そして、いつものようにパラメーターを調整して印刷ボタンを押しました。

印刷時間はなんと怒涛の30時間越え!!

やばいと思いつつスイッチを入れた時、時刻は2022/12/22で、25(明日)が大会なので、すでに徹夜が見えていました。印刷を一度でもしくじれば未完成待ったなしです。(ドキドキチキンレース!)

私が固唾を飲んで見守る中、

印刷失敗!!

これによって完成がなくなりましたとさ。。。

原因がまさかのフィラメントが印刷中に絡まるバグというのが救えない。。。

チキンレースは命懸け(崖から落ちちゃった)ということをはっきり理解できる楽しい計画でした。皆さんは納期よりも早い時期から作り始めましょうね。私はミカン職人なのでいいですが…

結論

錬成失敗!!

というわけで、オチも中身もないので最後はクソブログコピペで締めようと思います。すみません。

みなさんいかがでしたか?キャタピラの前世は?歴史は?今の設計法は!?調べて見ました。調べて見たところ、良く分かりませんでした。皆さんの推しの足回りをコメント欄で教えてね。

おまけ

失敗した足回りの例兼制御できないという例

怠けたわけではないんです。。。純粋に完成しなかった(ごめんなさい)

音波の解析 -猫のモノマネ-

こんにちは、20-yoです
いつもはアクア研の紹介しかしていませんが、たまには毛色の異なるものを

今回の対象:音波

演劇をやったことはありますか?

演劇を英語と日本語両方でやったことがある身としては、演劇には言語的に適性があるように感じてなりません
今回は、演劇の発声の練習方法:猫の声真似、に関しての音の分析の一覧を掲示します(猫の声真似入っている発生練習

クリスマス・イブ目の前にして、カラオケオールするなんて人もいるのかな
声出しに猫の声真似をしてみてはいかがでしょう

この記事はrogy Advent Calender 2022の12/23の記事です

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マニピュレータ入門の入門

この記事は rogy Advent Calender 2022 の21日目の記事です。
情報の正確性には細心の注意を払っておりますが、万が一、間違いや不備がありましたらご指摘をお願いします。

導入

世界の皆様、ごきげんよう。私が来ましたよ。20-Aoです。Twitterの名前はA-f(まっする)です。
今回のアドベントカレンダーの主催者は私なので、全く何も記事を書かないというのはよろしくないかと思い、急遽書くことになりました。
今回は理論系の記事でいきたいと思います。決して紹介できるような成果物がないとかじゃないですからね!決してねっ!!!!

今回は自分の勉強も兼ねてマニピュレータ、いわゆるロボットアームの制御の基礎について軽く紹介しようと思いました。が、あまりにも長くなりそうなので、今回はマニピュレータの制御理論を学ぶにあたって必要な情報をサラッと紹介します。
実機については15の先輩方のROBO-剣の記事に詳しく書いてありますので、是非併せてご覧ください。
記事は以下の3つです。ちなみに、先輩方は第11回 ROBO-剣で優勝されています。(すごい!)
【Gano剣】第11回 ROBO-剣(アーム型) 参加報告 – 機構編 –
【Gano剣】第11回 ROBO-剣(アーム型) 参加報告 – 画像処理編 –
【Gano剣】第11回 ROBO-剣(アーム型) 参加報告 – 制御編 –
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