ロボットハンドを自分で設計してみた話

初めに

みなさんこんにちは。

皆さんは忙しいですか?私は夏休みまでは忙しかったです。

さて、私はよく、腕がもう一本増えないかなぁと感じるのですが、世の中にある義手はそれほど使い勝手が良さそうではないし、高いです。また、個人的に思うのは、単に既存の手を置き換えるというのではなく増やせる方が非常に便利であることは疑いようがありませんが、存外そういったものを作ろうという人は少ないと感じます。なんか残念です。そこで、とりあえず自分で使ってみたいと思えるようなロボットハンドを制作するという点にのみフォーカスしてハードウェアを作ってみようと考えました

既存のものと比べて

下の画像を見てください

これは昨年度の私が文化祭で展示したじゃんけんを行うロボットハンドです。

できてんじゃんと思ってしまわれた方もいると思いますが、色々問題があるのです。

問題点

  1. ワイヤーの整備が行いづらい
  2. リンク比がそれほど良くないために球体などの立体に対して把持効果が弱い
  3. パーツの換装が小分けにならない
  4. オープンソースのものをちょっといじった程度であるために設計変更が容易でない
  5. 手元に設計データがないので改良すら無理
  6. 自重を補償しないために手首の角度と対応する補正値が乗ってしまう
  7. 制御可能な項目が少ない
  8. ワイヤーのテンション調整ができない

このうち少なくとも1~5を改善し、その他の項目を改良するために自分で設計をし直すことにしました。

できたもの

これができたものです。え?しょぼいし指しかないじゃんって?

間に合わなかったのですね…

こんな反応が聞こえてきそうなので一つ釈明をしておくと、この、指さえ作れば、去年のものと合体するだけで目的を遂げられるんですよね

まあ作りたいと思って設計まではしたので完全に言い訳ですが

ここまで設計しておいて何故作らなかったの?って言われそうですが、単にまだいじり足りない部分があるだけです。

悲しいな

指の可動域

駆動域は見ての通りで、中に駆動域外への動きに干渉させるように仕切りがあります。完成品と色が違うのは、まあ仕様です。

大きさは下の画像の通りです。私の手のサイズに外形が合うように設計されています。

この仕様上、問題はあるのですが、一旦はこれでいいと思っています。

まとめ

なんか指だけ作ったことを記事にしてみて、なぜ数ヶ月ひたすら指しか作らなかったのか?と感じざるを得ませんが、まあ、しょうがないことかもしれません。

おまけ

案の定未完成のものをプロヂュースする記事を作ってしまったし、設計手法を具体的に書くべきとも思えなかったので、書いてみて微妙すぎる記事になってしまってすみません。

書いたという点を評価してほしいなぁと感じています。

GPSロガーを作って新潟自転車旅

こんにちは.20-Samejimaです.初めての投稿なので見にくいところもあるとは思いますが,よろしくお願いします.

さて,今回は,GPSデータの記録装置を作ったお話をしようと思います.(最後に,新潟へ自転車旅した話をします.)

経緯

僕の趣味はサイクリングで,毎回自分がどのようなルートを通ったかスマホのアプリで記録していました.しかし,一つ重大な問題を抱えていました.
それは...スマホの電池がすぐ無くなる!!
数時間のサイクリングならたいしたことは無いのですが,長距離サイクリングになるとルートを調べたり連絡を取ったりするのに携帯が使えなくなってしまいます.
そこでルートを記録する装置(GPSロガー)を別で作ってスマホの電池消耗問題を解決することにしました.

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【第12回キャチロボ】エンドエフェクタと爆速ハンドの紹介

みなさんこんにちは、2018年度入学、M2のたくぽんです。
先日第13回キャチロボバトルコンテストが終わりましたが、今回は第12回大会の記事です。

去年のアドベントカレンダーで書くはずだった機体の解説を書いていきますよ。

他のキャチロボ関連記事も見てね!
大会参加報告
直動回転差動機構の紹介記事
電装の紹介記事

改めて試合の様子をご覧ください(青チームです)

いい感じにじゃがりこを回収してますね。
試合開始直後に小さいロボットがじゃがりこを一個回収したあと、でかいロボットが残りのじゃがりこを回収してるのが分かるかと思います。

今回は、でかいロボットの手先、じゃがりこを掴んでる部分である「エンドエフェクタ」と、試合開始後3秒でじゃがりこを1つ回収している小さいロボット「爆速ハンド」について紹介します!

エンドエフェクタ

こんなのを作りました。

吸盤が付いていて、変形してその配置が変わるようになっています。

機構を思いつくまで

今回のキャチロボでは,↓のように並んだじゃがりこをシューティングBOXに入れるという課題でした.

相手よりもたくさんのじゃがりこを確保できれば、それだけ勝利に近づきます。
ということで、「共通エリアの過半数、5個のじゃがりこを相手よりも早く確保できること」を設計目標に定めました。
早く確保するためには数個ずつちまちま回収するのではダメだろうということで、「共通エリアの5個は同時に回収する」ことにしました。

ここで問題になるのが、じゃがりこの配置です。自陣は1個並んでいる列・2個並んでいる列が100mm間隔で交互に並んでいますが、共通エリアは140mm間隔で1列に並んでいます。加えて、プレイス先のシューティングBOXは100mm間隔の格子型です。

じゃがりこの配置

それぞれ配置が違うので、自陣回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス、共通回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス、というふたつの場合を考えないといけません。

それぞれに専用のハンドを作るのはスマートじゃないですし、ロボット内でじゃがりこを並び替えるのも大変そうです。
自陣・共通・シューティングBOX、3つそれぞれが違う並びなのが難しいポイント。

どうしようかな~~~
おや?自陣とシューティングボックスの配置、これは…??

天啓 𝒉𝒂𝒔 𝒄𝒐𝒎𝒆 …

「く」の字型の並びが、自陣とシューティングBOXで共通してる!!!
おなじ並びなので、「く」の字型配置のハンドなら、自陣とシューティングBOXの両方で使いまわせます。この気づきで、「く」の字型配置のハンドを使うことによって、自陣回収 ⇔ シューティングBOXにプレイス の際のじゃがりこ並び替え工程が不要になりました!

これで、自陣・共通・シューティングBOXの3つの並びに対応する問題から、「共通エリアの140mm間隔の1列」と「自陣・シューティングBOXの『く』の字」の2つの並びに対応するハンドの開発という問題に落とし込め、問題が簡単になりました。

機構の設計

じゃがりこの回収方法については、吸盤を用いた吸引を採用することにしました。じゃがりこの天面にさえアクセスできれば回収できるので、パカパカ開閉するハンドに比べて干渉問題が起きにくそうです。

ということで、
・共通エリアの5つのじゃがりこを同時に回収できて
・それを「く」の字型配置を含むシューティングBOXの並びに変更できる
・吸盤をじゃがりこ天面にあてがうことで回収を行うハンド
を設計すればよさそうです。

こんな感じの、マジックハンドを変形させたようなリンク機構を使えばうまくいきそう。

メモ書きで汚いですが、赤色が吸盤です。中央の直動対偶(にくっついてる回転対偶)を動かすと、鳥が羽を広げるような動きでリンク機構が開閉します。

共通エリアモード、自陣・シューティングBOXモードの2値を取れればよいので、モーターは使わずにエアシリンダで駆動することにします。

機構のコンセプトが立ったので、リンク比をいい感じにしていきますよ。
フンッ

👈最初のスケッチ 最終的なリンク比👉

2時間CADのスケッチを凝視してたらいつのまにか最高のリンク比が目の前に…!!
各吸盤の目標位置との偏差は0.5mm以内に収まってます💪

リンク比が決まったのでもりもりモデリングして完成!

手先なのでがっつり肉抜きしてます
各エリアの回収方法

共通エリア回収後の変形動作が最高だからみんな見てくれ

爆速ハンド

「共通エリアに進入するには自陣のワークを1個以上シューティングBOXにプレイスしないといけない」というルールがあります。爆速でプレイスを終え、相手よりも早く共通エリアのじゃがりこをせしめてやろうということで、1個のワークを爆速でピック&プレイスする、爆速ハンドが生まれました。

試合開始後この爆速ハンドで1個プレイスし、シューティングBOXの空いた部分に共通エリアの5個をプレイスすることでシューティングBOXを1つ埋めます。今でもこのコンセプトはどこよりも良かったんじゃないかな~と思ってます。

最高のコンセプト

できたやつ

これが「爆速ハンド」だ!

がっしゃんがっしゃん派手に動いとりますね。
ピック&プレイスを終えた後は、メイン機体の邪魔になるのでフィールドの裏に引っ込んでもらってます。くるりんぱ。

この機構,完成したのが大会数日前だったので、いろんなところがはちゃめちゃな仕上がりになっちゃいましたが、とりあえず動いてよかったです。
本番では爆速ハンドで回収したオブジェクトは破損判定もらっちゃったんだけどね…

ハンドのしくみ

高速で動くアームの先端にハンドが付くので、軽量化のためにできるだけ把持にアクチュエータを割きたくない。1度だけ把持できればよいので、ねじ歯車とツメを使ったパッシブな機構を考えました。ほぼほぼ3D🍮製の機構で、割と軽いです。

ハンドをじゃがりこに押し当てると、ツメに引っかかって把持ができます。ソレノイドを駆動することでロックが外れ、ツメが開いてプレイスできます。おもしろ機構をつくれたのは楽しかったけど、動きが渋かったのが改善ポイント(大会本番はシリコンスプレーを塗りこんで事なきを得ました)。

次は2023年のキャチロボの記事を書きます!

ずっと放置してたキャチロボ2022の記事をようやっと書きました。次はキャチロボ2023の機体紹介記事を書きます!工大祭で展示するので、それまでに書けたらいいな…(工大祭は明後日!)

ではまた!

32bit RISC-V Linuxを作りQEMUで実行する

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりで,最近は作成したプロセッサでLinuxを動かそうとしているらしいです.

そのため対称実験用に正しく動くものが欲しいと思い,作っているプロセッサと同じ32bit RISC-VでLinuxを動かす環境を探していました.そこでプロセッサエミュレータであるQEMUでLinuxを動かしました.

その際,64bit向けはあっても意外に32bit向けの構築方法のまとめは少なかったため,32bit環境でLinuxをソースコードからRISC-V向けにビルドしたり,それをQEMUで実行する流れをまとめました.

やっている内容はほぼリンクのブログ(1)リンクのブログ(2)の丸パクリなのですが,一部変える点があったり,補足したい点があったため記録します.

QEMU上で32bit RISC-V Linuxを動かした際のブート画面
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2023新歓ブログリレーのお知らせ

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。

23年度イベント指揮となりました21-abeと申します。

今年も新歓ブログリレーとして、いくつかの記事を公開していく予定です。
少しでも興味を持ってくださった方はぜひチェックしてくださいね。

この記事では、現時点で予定されている新歓イベントについて紹介していこうと思います。

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RISC-Vにおける仮想->物理アドレス変換のまとめ

皆様こんにちは.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりなのですが,最近アドレス変換に触れ理解に苦しんだため,備忘録的にその挙動を記録します(そのため正確性はありません…).

OSが載っているような複雑なコンピュータでは,Excelやゲーム,音楽ソフトなど複数のアプリを同時に動かすことができます.この時,アプリ同士のアドレスが重ならないようにアドレスをずらす機構があります.

この変換機構は Memory Management Unit (MMU) という機構によって行われます.またこの変換方法も代表的なものがいくつかあり,今回は32bitのRISC-Vが公式に使用するSv32を題材として紹介します.

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【何人必要?】『三体』の人列コンピュータを設計する!ところが…

明けましておめでとうございます.18のhiraです.
僕はコンピュータ工学をやっているつもりなのですが,近年は1つのプロセッサの性能向上が限界に達しつつあり,代わりにマルチコアだったり,AIや行列計算用の専用プロセッサを組み合わせることが主流となっています.

ところが専用プロセッサは少量他品種であり,そのために複雑な回路を設計することは今まで困難でした.

ここに現れたのがGoogleが後援するOpenMPWプログラムです.これはGoogleColab上でDSLXというVerilog(回路のプログラミング)っぽい言語でコードを書くと,それが実際のカスタムプロセッサに変換され,さらに提携しているファブで製造までされるという企画です!しかも内部表現としてXORなどの論理演算の数や,その演算同士のつながりのグラフが得られます.
(設計にはこちらのOpenMPWチュートリアルを参考にしました)

チュートリアルにあった単純な加算回路

となればやりたいことは1つですね.『三体』の人海戦術の手旗信号による人列コンピュータには何人必要か.三体問題専用プロセッサを作って検証してみましょう!

この記事で作製したMATLABファイル,GoogleColabのipynbファイルはリンクのGithubにありますのでご参照ください.

(注: 以下の記事には『三体』のネタバレを含みます)

計算陣形<コンピュータ・フォーメーション>!

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今年のCheeseの大会結果

この記事はrogy Advent Calender 2022の25日目の記事です。

……ただいま25日の46時くらいです。

Cheeseの組長をしている18-Hitomosiです。

Cheeseは、マイクロマウスというロボット競技に参加している研究室です。

Cheeseは今年度の全日本学生マイクロマウス大会に4人が出場しました。クラシックマウス競技に2人、マイクロマウス競技に2人です。

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プチコン 5年ぶり開催!

プチコンを5年ぶりに開催しました!

フィールドは、SSR杯のを基に製作


日々の活動をしながら、精鋭たちが機体をもちよってくれました


ライントレースカーに2足歩行、振動運動、様々な種類が集まっています

いくつか賞も与えられました
自由な雰囲気でロボコンできるのは、ロ技研ならではですね!

ここまでお読みいただきありがとうございました!